エアコンの取り付けをどうしようかと迷っていた。そんなとき、ふと思い出したのが、俺がまだ小学生だったころにテレビで見た、電気工事士の特集番組だ。
その番組では、電気工事業の資格を持つ主人公が、主人公の住むアパートで起こる様々なトラブルを解決していくという内容の番組だったのだが、その中で主人公は、ある人物から依頼を受けて、エアコンの取り付け作業を行っていたのだ。
俺は、その光景を見て、自分にもあんなふうに誰かを助けられる力があればいいなと思っていたことを今でもよく覚えている。
今なら、あの主人公のようにはいかないかもしれないが、それでも、エアコンを取り付けるぐらいのことはできるはずだ。
そう考えた俺は、早速インターネットを使って、電気工事士について調べ始めた。そして、必要な資格や、仕事内容などを知った俺は、次の日からすぐに行動を開始した。
まず、電気工事士の試験勉強を始めた。幸いなことに、電気工事士の資格試験には、高校を卒業してから五年間という長い期間があったし、俺は受験に必要な知識を覚えることに関しては自信があったため、それほど苦労することなく合格することができた。千葉県のエアコン取り付け業者になった。
それからは、電気工事士として仕事をするための準備を着々と進めていった。最初は、小さなマンションなどの電気設備の点検を行う程度しかできなかったが、そのうちに、一軒家でも仕事を任せてもらえるようになった。
さらに、電気工事士の仕事を通して知り合った人たちの紹介で、建築関係の仕事をしている人と知り合いになり、そこから、リフォーム業をしている会社を紹介してもらうことができたりもした。
それらの経験を経て、俺は自分の力でお金を稼ぐことができるようになったのだ。
ただ、さすがにこれだけの経験を積んできたとはいえ、この世界で生きていくためにはまだまだ足りないものがたくさんあったため、俺はこれからも努力を続けていくことを決意した。
しかし、だからといって、ただ闇雲に頑張るだけではダメだろう。そのため、まずは自分の能力を把握しておくことにした。
その結果わかったのは、俺の能力値はオール100だということだ。つまり、全てのパラメーターの値が100なのだ。
だが、これは別に珍しいことでもないらしい。というのも、例えばRPGゲームなんかだと、職業によってステータスの成長率が違うことがあるのだが、そういう意味では、すべての職業を経験したことのあるような人の場合は、ステータスの成長率が偏って高くなることもあるようだからだ。
もちろん、例外もあるようではあるが……。
ちなみに、俺の場合の職業に関する成長率は、魔法使い系が2、戦士系が3、僧侶系が4、盗賊系が5といった感じになっている。