エアコンの取り付け取り外しをお願いする。
「それでは、このリモコンでエアコンの操作ができます」
俺がそう説明すると、お客さんは早速スイッチを入れた。
「おお!涼しい!」
室外機から冷風が出てくると、お客さんの表情も明るみを帯びる。
これで一安心だな。
あとは…… 俺はスマホを取り出して、とある番号に電話をかけた。
するとすぐに電話に出る声があった。
その人は、先ほどまで俺たちがいた作業現場にいた人だ。
俺は、さっきの現場の状況を説明し、エアコンの修理を依頼していた。
もちろん、今日中に修理できるというわけではないが、明日の夕方には来てくれるそうだ。
とりあえず、今夜はこれでなんとかなるだろう。
その後、俺は美春と一緒に近くのスーパーへ買い物に出かけた。
そこで買い出しをしながら、今日の夕食について話した。
そして、スーパーを出た後、2人で並んで歩きながら家へと帰っていた。
しかし、途中で急に雨が降り出してきたのだ。
傘を持っていないため、急いで帰ろうとしたのだが、その時、通りかかった公園の前で美春が立ち止まった。
「どうしたんだ?」
俺は立ち止まって尋ねる。
すると、彼女はこちらを向いて微笑んで言った。
「ちょっと寄っていかない?こんなに綺麗なお花があるよ」
そう言って指差したのは、公園の花壇だった。